不貞行為の慰謝料については、周りに聞いても安いと数十万円、高いと何百万円と幅があり、妥当な金額がわからないというのは当然のことと思います。
不貞行為の慰謝料は、様々な要素(不貞行為の期間、不倫が夫婦に与えた影響など)を考慮して決められるため、人によって金額が大きく異なるのです。
では、具体的にどのような要素を考慮して決められているのか。
そもそも慰謝料はどのように請求したらいいのか。
この記事を読むことで、不貞行為の慰謝料の基本、慰謝料の金額の算定方法を知ることができます。
この記事では、
- 「不貞行為」と慰謝料請求ができる要件
- 浮気・不倫の慰謝料の裁判上の相場(目安)
- 浮気・不倫の慰謝料の金額の決め方
- 慰謝料の金額を決める増額・減額要素
- 慰謝料を請求する方法
- 慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット
について、弁護士が詳しく解説します。
「不貞行為」と慰謝料請求ができる要件
「不貞行為」と「不貞行為」の慰謝料を請求する要件について説明します。
(1)「不貞行為」とは?
「不貞行為」とは、浮気や不倫のうち、法律上、慰謝料請求が認められるものをいいます。
そして、「不貞行為」とは、一般的に、配偶者のある者が、配偶者以外の異性と自由な意思で性行為・肉体関係を持つこととされています。
もっとも、性行為・肉体関係とまではいかなくても、性的に密接な関係(一緒に風呂に入る、愛撫をするなどの性交類似行為など)をもつことも、「不貞行為」にあたるとされています。
2人きりで会う、食事をする、手をつなぐという行為だけでは、基本的に「不貞行為」にはあたりません。
(2)「不貞行為」を理由に慰謝料請求をするための要件
「不貞行為」を理由に慰謝料請求をするためには、次にあげる要件を満たす必要があります。
- 「不貞行為」の故意・過失
- 「不貞行為」による権利侵害
詳しく説明します。
(2-1)「不貞行為」の故意・過失
浮気・不倫を理由に慰謝料を請求するためには「故意・過失」、つまり、
- 浮気・不倫だとわかっていながら、自由な意思で浮気・不倫を行ったこと
- 浮気・不倫が夫婦の婚姻生活の平穏を害するものであるとわかっていながら、自由な意思で浮気・不倫を行ったこと
が必要となります。
この「わかっていた」とは、「既婚者だとわかっていた」、「婚姻生活の平穏を害するものだとわかっていた」場合のみならず、「既婚者だと気づく状況にあった」、「婚姻生活が破綻していないと気づく状況にあった」、場合にも含みます。
そのため、浮気や不倫相手が「既婚者だと知らなかった」、また、「婚姻生活が破綻していると思っていた」場合であっても、「既婚者だと気づく状況にあった」、「婚姻生活が破綻していないと気づく状況にあった」場合には、「故意・過失」ありとされます。
- ※※ 配偶者に対して、慰謝料を請求する場合には、配偶者は自身が既婚者であることを当然わかっていますので、この要件は問題となりません。
なお、「自由な意思で浮気・不倫したこと」が必要ですので、無理矢理性的関係を迫られたような場合には、浮気・不倫相手に対して慰謝料請求することはできません。
具体的には、次のとおりです。
故意・過失 | |
---|---|
〇認められるケース | ×認められないケース |
・既婚者であることを知りながら、肉体関係をもった ・浮気・不倫相手は、既婚者と浮気・不倫をしていると気づく状況であるにも関わらず、把握していなかった ・既婚者だと知っていたが、婚姻関係がすでに破綻していたと勘違いし、注意を払えば破綻していないことに気づく状況であったにもかかわらず肉体関係をもった | ・マッチングアプリなどで知り合い、お互いの素性を知らず、既婚者であることに気づく余地のないまま肉体関係を持った ・既婚者だと知っていたが、婚姻関係がすでに破綻していたと聞かされており、実際夫婦は別居しているなど夫婦関係はすでに破綻していると思わざる得ない状況で、肉体関係をもった ・浮気・不倫相手の自由な意思で肉体関係を持ったわけではなかった(無理矢理肉体関係を持たされた、脅されて肉体関係を持つしかなかった、など) |
(2-2)「不貞行為」による権利侵害
浮気・不倫を理由に、慰謝料を請求するためには、浮気・不倫によって「権利の侵害」を受けたこと、つまり、
浮気・不倫によって婚姻生活の平穏が害されること
が必要となります。
これを分かりやすく言い換えると、浮気や不倫によって、夫婦の仲が悪化してしまうことが必要であるとされています。
浮気や不倫された時点で、すでに婚姻生活が破綻していた(別居状態、夫婦仲が冷め切っているなど)状況である場合、浮気や不倫が行われたとしても、すでに婚姻生活が破綻している以上、浮気や不倫によってさらに夫婦仲が悪化して精神的ショックを受けることはないと考えられているため、浮気や不倫をされた時点ですでに婚姻生活が破綻していた場合には、慰謝料を請求することはできないとされています。
具体的には、次のとおりです。
権利の侵害 | |
---|---|
〇認められるケース | ×認められないケース |
浮気・不倫により、それ以前は円満だった夫婦関係が悪化し、離婚した | 浮気・不倫が行われた時点で、夫婦の仲が悪く、夫婦の共同生活がすでに破綻していた(浮気・不倫が行われた時点ですでに夫婦が別居している場合、婚姻関係が破綻していたと判断される可能性が高い) |
(3)「不貞行為」は共同不法行為
「不貞行為」は、配偶者とその浮気・不倫相手の2人が行うものです。そのため、浮気や不倫の慰謝料を支払うときはその配偶者と浮気・不倫相手の2人が連帯して支払う義務を負うものとされています。
仮に、不貞行為によってあなたが受けた精神的ショックを償うためには慰謝料として200万円が相当であると考えられる場合には、配偶者と浮気・不倫相手が連帯して慰謝料200万円を支払うことになるのです。
すでに配偶者から200万円の慰謝料を受け取っている場合には、浮気・不倫相手に二重で請求することはできません。
つまり、配偶者からすでに十分な慰謝料を受け取った場合、浮気・不倫による損害の賠償が済んでいるとされ、浮気相手に慰謝料を請求することはできないとされているのです。
(例)Aさん(妻)が浮気・不倫をしたAさん(夫)から200万円の慰謝料を受け取った場合、客観的に妥当な慰謝料金額200万円の場合には、Aさん(妻)はすでに不貞行為によって被った損害の全額の支払いを受けているため、浮気・不倫相手に対して慰謝料を請求することはできません。
ただし、慰謝料が支払われた理由が、不貞行為だけではなく、暴力などの理由もあった場合、配偶者から支払われた慰謝料が十分とはいえない場合には、配偶者だけではなく浮気・不倫相手に対して慰謝料を請求できる可能性があります。
なお、配偶者から受け取った慰謝料が十分といえるかどうかは、専門的な判断が必要ですので、弁護士への相談をおすすめします。
浮気・不倫の慰謝料の裁判上の相場(目安)
浮気や不倫の慰謝料の裁判上の相場について知っておきましょう。
浮気・不倫の慰謝料の裁判上の相場(目安) | |
---|---|
別居や離婚をする場合 | およそ100万~300万円 |
別居や離婚をしない場合 | およそ数十万~100万円 |
この表を見るに、浮気や不倫の慰謝料の金額には大きく幅があり、明確に決められていないことがわかります。
では、慰謝料の金額はどのようにして決められているのでしょうか。
まず、慰謝料金額の決め方についておさえておくようにしましょう。
浮気・不倫の慰謝料の金額の決め方
不貞行為の慰謝料の金額の決め方は、明確な計算方式や基準があるわけではなく、さまざまな事情を考慮して決めることになります。
慰謝料の金額を決める増額・減額要素
不倫行為に対する慰謝料は、不倫をしたことによって受けた精神的苦痛に対する慰謝として支払われるもののことをいいます。
そのため、金額を決めるポイントは、基本的にどれだけの精神的苦痛を受けたといえるかによって判断されます。
精神的苦痛が大きいと判断されれば慰謝料も高額になりますし、精神的苦痛が小さいと判断されれば慰謝料が減額されることになります。
一般的に、慰謝料の金額を決めるポイントとしては次のものがあげられます。
- 夫婦の婚姻期間、子どもの有無
- 不倫が始まった経緯
- 不倫の期間や回数
- 不倫相手への経済的支援、不倫相手との子どもの有無
- 不倫を知ってからの態度
- 不倫が夫婦生活に与えた影響
- 反省や謝罪の有無、慰謝料の受取りの有無
- 不倫相手や夫婦の経済力や社会的地位
詳しく説明します。
(1)夫婦の婚姻期間、子どもの有無
具体的な増額・減額要素は次のようになります。
増額要素には(+)、減額要素には(-)とつけています。
- 夫婦の婚姻期間が長い(+)
- 夫婦の子どもがいる(+)
- 夫婦の子どもの年齢が幼い(+)
婚姻期間が長い、子どもがいる、子どもが幼いなどの事情があれば、慰謝料を増額する要素となりえます。
婚姻期間が長い、子どもがいる、子どもが幼いにもかかわらず、配偶者が不倫関係に及んだとなれば、不倫によって受ける精神的苦痛は大きいだろうと判断されているのです。
婚姻期間については、裁判例を見るに、例えば数年では短いと判断されており、一方15年以上の婚姻期間をもって長いと判断されています。
(2)不倫が始まった経緯
具体的な増額・減額要素は次のようになります。
- 配偶者が、不倫相手に既婚であることを伝えていなかった(-)
- 配偶者が「離婚するつもり」などと言って、不倫相手もこれを信じていた(-)
- 配偶者から不倫相手に言い寄って、不倫が始まった(-)
配偶者が不倫相手に既婚であることを伝えていなかった、もしくは、既婚であることを伝えていても離婚予定であるなどといって、不倫相手がそれを信じていた場合、不倫相手に対する慰謝料が減額される要素になります。
これは、不倫によって受けた精神的苦痛というよりは、不倫相手に対する非難の程度が低いということから不倫相手が支払う慰謝料が減額されるのです。
また、配偶者から積極的に言い寄って、不倫が始まってしまった場合も同様に、不倫相手に対する非難の程度が下がるために、慰謝料が減額される要素になりえます。
(3)不倫の期間や回数
具体的な増額・減額要素は次のようになります。
- 不倫の期間が長い(+)
- 肉体関係を持った回数が多い(+)
不倫期間が長い、また、肉体関係を持った回数が多いという事情があると、慰謝料を増額する要素となります。
不倫期間については、裁判例を見るに、数ヶ月程度であれば短く、1年以上にわたる場合には長期間と判断されているようです。
肉体関係を持った回数については、数回程度であれば少なく、例えば20回以上であれば多いと判断されています。
(4)不倫相手への経済的支援、不倫相手との子どもの有無
具体的な増額・減額要素は次のようになります。
- 配偶者が不倫相手の生活の経済的支援をしていた(+)
- 配偶者と不倫相手の間に子どもがいる(++)
配偶者が不倫相手に対して経時的支援をしていた、また、配偶者と不倫相手の間に子どもがいる(中絶も含める。)場合、慰謝料を増額する要素となります。
特に、配偶者と不倫相手との間に子どもがいるという事情は、受ける精神的苦痛が大きいため、慰謝料の金額を大きく増額させる要素となりえます。
(5)不倫を知ってからの態度
具体的な増額・減額要素は次のようになります。
- 不倫を知ってから、配偶者や不倫相手に不倫関係を断つようにいったにもかかわらず、関係をやめない(+)
- 配偶者や不倫相手が不倫関係をやめることに同意したにもかかわらず、関係をやめない(+)
- 不倫について配偶者は許して、不倫相手にだけ慰謝料を請求した(-)
不倫関係をやめるように言っている、もしくは、不倫関係をやめることに応じているにもかかわらず、不倫関係が続いている場合には、慰謝料が増額する要素となっています。
これは、不倫相手との関係をすぐにやめた場合に比べて悪質であること、また、受ける精神的苦痛も大きいことから慰謝料が増額される要素となるのです。
一方、不倫を知って、配偶者は許して、不倫相手のみに対して慰謝料を請求したという場合には、不倫相手との関係でも慰謝料が減額される要素となりえます。
これは、配偶者に対しては不倫を許しているということから、そうでない場合に比べて、受けた精神的苦痛は大きいとまではいえないという評価になることから、慰謝料が減額される要素となるのです。
(6)不倫が夫婦生活に与えた影響
具体的な増額・減額要素は次のようになります。
- 不倫によって離婚した(+)
- 不倫を知って、離婚を提案した(+)
- 夫婦間の関係が悪化した原因が不倫以外にもある(-)
不倫によって離婚した場合、もしくは、離婚はしていないが離婚を提案した場合には、慰謝料が増額される要素となります。
これは、不倫が夫婦生活を破綻させたと考えられるために、受ける精神的苦痛が大きかったと評価されるためです。
一方、夫婦関係が悪化した原因が不倫以外にも存在する場合には、必ずしも不倫だけが精神的苦痛の原因ではないと考えられるため、慰謝料が減額される要素となりえるのです。
(7)反省や謝罪の有無、慰謝料の受取りの有無
具体的な増額・減額要素は次のようになります。
- 配偶者や不倫相手が反省や謝罪をしている(-)
- 配偶者から慰謝料をすでに受け取っている(-)
- 配偶者や不倫相手が一切、反省や謝罪していない(+)
配偶者や不倫相手が十分に謝罪したり、反省したりしている場合には、受ける精神的苦痛も少しは少なくなっていると評価され、慰謝料が減額される要素になります。
一方、配偶者が反省や謝罪をして、すでに慰謝料を支払った場合、精神的苦痛は少し和らいでいると考えられるために慰謝料が減額される要素となります。
一方、配偶者や不倫相手に謝罪や反省が一切見られない場合には、その分受ける精神的苦痛も大きくなることから慰謝料が増額される要素にもなりえます。
(8)不倫相手や夫婦の経済力や社会的地位
増額・減額要素は次のようになります。
- 夫婦の社会的地位が高い(+)
- 夫婦の収入が高い(+)
- 夫婦の資産がある(+)
- 不倫相手の社会的地位が高い(+)
- 不倫相手に経済力がある(+)
夫婦・不倫相手に高い社会的地位、経済力があるなどの事情があれば、慰謝料を増額する要素となりえます。
しかし、最近の裁判例では、高い社会的地位や収入、資産があっても、不倫によって受ける精神的苦痛はわからないと考えられており、慰謝料の金額に影響を与えないとするものも見られます。
(9)慰謝料の金額を決める増額・減額要素まとめ
これまで説明した慰謝料の金額を決める増額・減額要素をまとめると、次のようになります。
- 夫婦の婚姻期間が長い(+)
- 夫婦の子どもがいる(+)
- 夫婦の子どもの年齢が幼い(+)
- 配偶者が、不倫相手に既婚であることを伝えていなかった(-)
- 配偶者が「離婚するつもり」などと言って、不倫相手もこれを信じていた(-)
- 配偶者から不倫相手に言い寄って、不倫が始まった(-)
- 不倫の期間が長い(+)
- 肉体関係を持った回数が多い(+)
- 配偶者が不倫相手の生活の経済的支援をしていた(+)
- 配偶者と不倫相手の間に子どもがいる(++)
- 不倫を知ってから、配偶者や不倫相手に不倫関係を断つようにいったにもかかわらず、関係をやめない(+)
- 配偶者や不倫相手が不倫関係をやめることに同意したにもかかわらず、関係をやめない(+)
- 不倫について配偶者は許して、不倫相手にだけ慰謝料を請求した(-)
- 不倫によって離婚した(+)
- 不倫を知って、離婚を提案した(+)
- 夫婦間の関係が悪化した原因が不倫以外にもある(-)
- 配偶者や不倫相手が反省や謝罪をしている(-)
- 配偶者から慰謝料をすでに受け取っている(-)
- 配偶者や不倫相手が一切、反省や謝罪していない(+)
- 夫婦の社会的地位が高い(+)
- 夫婦の収入が高い(+)
- 夫婦の資産がある(+)
- 不倫相手の社会的地位が高い(+)
- 不倫相手に経済力がある(+)
慰謝料を請求する方法
では、浮気・不倫相手の「不貞行為」が発覚した場合、浮気・不倫相手にどのようにして慰謝料請求をすればよいのでしょうか。
流れとしては、次のようになります。
まず、請求する前に不貞行為の証拠を収集しましょう。
慰謝料請求をした後に、不貞行為の証拠を集めようとしても、浮気・不倫相手も慰謝料を支払いたくないという気持ちから、すでに証拠を処分しているかもしれません(配偶者もすでに証拠を処分しているかもしれません。)。
不貞行為が発覚した場合、慰謝料を請求するか否かを迷ってしまうかもしれませんが、できる限り早く証拠を収集しておくことをおすすめします。
その次に、話合いの中で請求することになります。ここで慰謝料の支払いについて合意がまとまれば、裁判を行う必要はありません。
話合いをすることが難しい場合、もしくは、話合いをしても慰謝料の支払いについて合意に至らなかった場合には、裁判の中で慰謝料を請求するという流れになります。
(1)不貞行為の証拠を集める
不貞行為の慰謝料を獲得するためには、相手方の不貞行為の事実を証明する証拠を集めておくことが重要です。
仮に、相手方が不貞行為の事実を認めているとしても、今後、慰謝料請求をした場合には、「不貞行為なんてしていない」と否定してくる可能性も否定できません。
そのため、不貞行為の慰謝料を確実に受け取るためにも、請求する前に証拠を集めておくことが重要なのです。
不貞行為の証拠としては、例えば次のものがあげられます。
- メール、LINE、SNSなど
- 写真、動画(配偶者と浮気・不倫相手の顔がはっきり写っていることが重要です)
- 電話の通話履歴
- 不貞行為を認めた録音
- 不貞行為を認めたメモ、文書(不貞行為の内容を具体的に書いてもらう)
- ラブホテルなど、宿泊施設の領収書
- クレジットカード売上票(レシート)
- いわゆる探偵による調査報告書
(2)話合いの中で請求する
証拠を収集できたら、慰謝料請求をすることになります。
相手と話し合うことができる場合には、話し合いの中で慰謝料を請求します。
話し合いによって、慰謝料の支払いについて合意がまとまった場合には、示談書を作成するようにしましょう。
示談書を作成しておくことで、示談後に「気が変わったから支払わない」ということを防ぐことができますし、浮気・不倫相手や配偶者に対して相手ともう会わないという約束をさせることもできます。
口頭の話し合いでは、曖昧になってしまう部分も、示談書を作成しておくことで、細かく決めることができ、相手が示談したことを守らないということを防ぐことができます。
(3)調停もしくは裁判で請求する
相手と話し合いをすることが難しい場合、もしくは、話し合いをしても解決しなかった場合には、調停もしくは裁判で請求することになります。
(3-1)調停の中で請求する
配偶者に対して慰謝料請求する場合に、すでに配偶者と離婚をした場合には、調停手続きを使って、不貞行為の慰謝料請求することができます(離婚前の場合には、離婚調停の中で慰謝料について請求し、話し合うことができます。)。
「調停」とは、家庭裁判所で行いますが、裁判のように勝ち負けを決めるのではなく、話合いによりお互いが合意することで解決を図る手続きのことをいいます。
「調停」の流れとしては、裁判官と民間から選ばれた調停委員(不貞や離婚の調停の場合は男女2名)が双方の事情や意見を聞いて、双方が納得して解決できるように、助言を行います。
調停の中で、当事者間で合意が成立すると、合意事項を書面にして調停は終了します。
なお、当事者双方が顔をあわせたくないとの希望があれば、当事者双方が顔をあわせないように配慮してもらえることもあります。
参考:調停手続一般|裁判所- Courts in Japan
参考:慰謝料請求調停|裁判所- Courts in Japan
(3-2)裁判の中で請求する
離婚なしに配偶者に対して請求する場合、もしくは、不貞相手に慰謝料を請求する場合には、相手方に対して慰謝料請求の裁判を起こすことになります。
裁判を起こしたからといって、必ずしも話し合いを待つことなく、裁判官の判決を待つのみというわけではありません。
当事者双方に和解の可能性がある場合には、裁判官から和解をすすめられ、当事者にとって納得がいく形での解決(和解)を行うこともあります。
ただ、どうしても双方が合意することが難しい場合(和解できない場合)には、裁判官が、相手方が慰謝料を支払うべきか否か、支払うべきだとするといくらの慰謝料が妥当かなどについて、決めることになります。
(3-3)調停また裁判のまとめ
慰謝料請求について調停を行うべきか、裁判を行うべきかについては、次のとおりになります。
配偶者に対して慰謝料請求する場合
離婚する場合(もしくは離婚した場合) | 離婚調停(慰謝料請求調停)で請求 |
離婚しない場合 | 裁判で請求 |
不貞相手に対して請求する場合
不貞相手に請求する場合 (離婚の有無にかかわらない) | 裁判で請求 |
慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット
慰謝料請求は弁護士に依頼せずとも個人で行うことができます。
しかし、実際は多くの人が浮気・不倫相手の慰謝料請求を弁護士に依頼しています。
では、慰謝料請求を弁護士に依頼することで受けるメリットとは何でしょうか。
慰謝料請求を弁護士に依頼するメリットは、次の3つが挙げられます。
- 弁護士からの請求であなたの本気の怒りを伝えることができる
- 慰謝料を増額できる可能性がある
- トータルでサポートしてもらえる
順番に説明します。
(1)弁護士からの請求であなたの本気の怒りを伝えることができる
浮気・不倫をした配偶者は「妻(夫)が相手をしてくれなかったから仕方がない」と、浮気・不倫相手は、「好きになった人がたまたま既婚者だった」など、浮気・不倫をした当事者たちは軽く考えていることも少なくありません。
そのため、あなた個人からの慰謝料請求では、慰謝料請求を無視したり、請求を拒否したりすることも少なくないのです。
しかし、弁護士からの書面が届くと、あなたの本気の怒りが伝わって、本当に訴訟を提起されてしまうのではないかと不安になって、浮気・不倫の相手があわてて、態度を一変させて、きちんと対応するケースが多いのです。
(2)慰謝料を増額できる可能性がある
弁護士に依頼することで慰謝料を増額できる可能性があります。
慰謝料の金額の決め方には、決まった計算式はなく、様々な事情を考慮して慰謝料の金額を決めることになります。
そのため、少しでも高額な慰謝料を獲得するためには、過去の裁判例や法律の知識、交渉のテクニックが必要となるのです。
弁護士であれば、法律の専門家としての知見を駆使して、不倫相手と粘り強く交渉し、少しでも高額な慰謝料の獲得を目指しますので、慰謝料を増額できる可能性があります。
(3)トータルでサポートしてもらえる
弁護士が交渉することで、あなたは浮気・不倫相手と接する必要はありませんので、余計なストレスや心配はありません。
さらに、弁護士は、慰謝料請求に限らずに、浮気・不倫相手と配偶者の関係を断ち切り、慰謝料の未払いなど後々に起こりうるトラブルを防ぐための和解書などを作成することもでき、あなたの意向に沿ったトータルサポートをしてくれます。
【まとめ】不貞行為の慰謝料は様々な要素を考慮して決める!慰謝料請求する前に証拠収集を!
今回の記事のまとめは次のとおりです。
- 「不貞行為」とは、一般的に、配偶者のある者が、配偶者以外の異性と自由な意思で性行為・肉体関係を持つこと。
- 「不貞行為」を理由に慰謝料請求をするための要件
- 「不貞行為」の故意・過失
- 「不貞行為」による権利侵害
- ※なお、この要件を満たしても、配偶者からすでに十分な慰謝料を得ている場合には、浮気・不倫相手に対して慰謝料を請求することはできません。
浮気・不倫の慰謝料の裁判上の相場(目安)
浮気・不倫の慰謝料の裁判上の相場(目安) | |
---|---|
別居や離婚をする場合 | およそ100万~300万円 |
別居や離婚をしない場合 | およそ数十万~100万円 |
慰謝料の金額を決める増額・減額要素
- 夫婦の婚姻期間、子どもの有無
- 不倫が始まった経緯
- 不倫の期間や回数
- 不倫相手への経済的支援、不倫相手との子どもの有無
- 不倫を知ってからの態度
- 不倫が夫婦生活に与えた影響
- 反省や謝罪の有無、慰謝料の受取りの有無
- 不倫相手や夫婦の経済力や社会的地位
- 慰謝料を請求する流れ
- 慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット
- 弁護士からの請求であなたの本気の怒りを伝えることができる
- 慰謝料を増額できる可能性がある
- トータルでサポートしてもらえる
不貞行為の慰謝料請求は、様々な増額・減額要素を考慮して決めることになるため、本来弁護士といった専門家に相談して決めることをおすすめします。
また、不貞行為の慰謝料請求は、不倫をした当事者と話し合って交渉しなければなりません。不貞行為があったことを知ってショックを受けている状況で、当事者らと話し合わなければならないことは、精神的にも辛いことでしょう。
アディーレ法律事務所では、浮気・不倫の慰謝料請求につき、相談料、着手金をいただかず、原則として成果があった場合のみ報酬をいただくという成功報酬制です。
原則として、この報酬は獲得した賠償金等からのお支払いとなりますので、あらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要がありません。
また、当該事件につき、原則として、成果を超える弁護士費用の負担はないため費用倒れの心配がありません。
浮気・不倫の慰謝料請求でお悩みの方は、アディーレ法律事務所へご相談ください。
どのようなことに関しても,最初の一歩を踏み出すには,すこし勇気が要ります。それが法律問題であれば,なおさらです。また,法律事務所や弁護士というと,何となく近寄りがたいと感じる方も少なくないと思います。私も,弁護士になる前はそうでした。しかし,法律事務所とかかわりをもつこと,弁護士に相談することに対して,身構える必要はまったくありません。緊張や遠慮もなさらないでくださいね。「こんなことを聞いたら恥ずかしいんじゃないか」などと心配することもありません。等身大のご自分のままで大丈夫です。私も気取らずに,皆さまの問題の解決に向けて,精一杯取り組みます。